現行技術の根底を支えている演算機械。
大小さまざまな円筒状のガラス管の中央に文様の刻まれた真鍮の棒が設置されている。
蒸気機関の生み出す莫大な熱/物理エネルギーを活用し、刻まれた魔法学の講式を展開する。その講式によって末端の機器への命令が行われる。
起動時は講式が燐光を帯びて浮き上がり、ガラス管内で回転する。
高級品だとスロットが底部に存在し、講式を追加することができる。
大天蓋崩落後の戦乱末期、日ノ本帝国陸軍上層部が何を血迷ったのか作り上げた超大口径砲台運用機構。
その最大の特徴は列車を引くことであらゆる位置、角度からの砲撃が可能というもの。帝都、及び帝国全土の制空権確保を目的としたもの。
蒸気技術と魔法科学の粋を集めた結果、直径壱〇〇センチメートル、最大射程八〇キロメートルという規格外のスペックをたたき出した。
当初の計画では帝国全土に線路を引き、対巨大生物用として防衛網を整備、全十機製造される予定だった。
しかし、戦乱末期の物資不足に加え、試作三機を作った段階で命中力の低さが露呈。補正用の巨大ディファレンスエンジン開発がはじめられたが、その時には事態はすでに収束に向かっており、計画はとん挫した。
現在では試作された三機のうち一機は蒸気機関が爆発し損失。うち一機は帝都周辺の専用線路の設営が完了していたため、驚くことに現在でも運用がされていたが、先のまほろばによる占拠事件の折に砲身が損壊。復旧のめどはたっていない。
試作一号機は上総、二号機は下総、三号機は安房と呼ばれている。
大天蓋崩落の1853年から1880年の西南戦役までの27年間の戦いを指します。
この中で新政府では隣人との技術交換が盛んに行われました。
これが旧幕府側を敗北に追い込んだ遠因となっています。
また、この技術交換によって日ノ本は世界的に見ても屈指の技術大国へと発展しました。
世界を見てもこれほどの技術力を持つのは同盟国である米国と英国くらいなものでしょう。